「待ちなさいよ!!」 私は歩き去る天使くんの襟首を掴む。転びそうになった所を捕まえて、しっかり振り向かせた。 「なにか用で――」 「これ!」 私は天使くんの手にそれを握らせる。 緊張して、不安で、みんなに見られているのが恥ずかしくて、普通じゃない心臓が体を暑くするから、汗で濡れてしまったそれが申し訳ないけど。 渡さないわけにはいかなかったから、私は彼に押し付けるようにそれを握らせた。 「これって……」 「お金。昨日、財布忘れて……あんなふうに払わせちゃったから。ごめん、本当に……っ」