天使くん。



 あの日に、私は春真を天使くんと心で呼んだ。
 本当に綺麗な心をしていたから。



 でもそれは、人と深く関わることをやめた代償だった。
 天使の羽を汚さないように生きてきたから、使い方を忘れてしまったんだよね。



 まだ、間に合うよ。
 一緒に歩いていこう。 



 こんなふうに私に心を開いてくれたんだから、大丈夫。




「今の春真、最高にカッコいいよ!」




 失敗することって、そんなにいけないこと?



 失敗したから、私には見えたものがある。



 傷つけ、傷つけられて、大きくなった想いがある。



 たくさんの人に関わり、経験して、成長していく自分自身。



 こんなにも人間らしく生きるって素敵なことだと思う。