きっとこの先にもたくさんの試練があって、挑戦したり逃げたり、失敗を繰り返していくことだろう。



 そんな時に愛する人が隣にいてくれたら、きっと心強い。



 支えることも、支えられることも、お互いが同じ方向を見ていれば出来るから。




「夏海先輩……」


「ねえ、夏海って呼んでよ」


「え?」


「お願い」


「あー……」




 真っ赤に染まる春真くんの頬。
 耳まで赤くして、今日は特別可愛い。




「好きです、夏海」




 それは反則。
 ドキドキが止まらなくなる。




「はる、ま……っ」




 仕返しに、私も名前で呼んでやろうとしたら、また不意打ち。
 唇を塞がれて、でもすぐに離れる。




「ちょっと、春真く……っ」


「春真って呼んでくれるんじゃ、ないんですか?」


「あ……」




 積極的な春真くん。
 いや、春真はいたずらっぽい笑顔を見せる。