私が制服のままだってわかっていたから、白いシャツを着て合わせてくれたのかな。
 嬉しいかも。



 再び顔を上げたら不安そうな表情。



 柔らかい髪が風にふかれる。
 ジュースを持つ手や指はやっぱり男子で、大きくて。



 そういえば、その手をよく握った。
 手を繋いで歩いて。



 思い出も、今も、春真くんといる、その全てが愛おしい。




「怒り、ました?」


「ううん、違う。ただ……」




 言いかけた言葉を飲み込む。
 今はまだ、言えない。




「私も話がしたいって思ってた」




 だから、春真くんも真っ直ぐに見て欲しい。私という人間を見て欲しい。



 アイスクリームが、ジュースの中に溶け込んでいく。ストローで飲むと、まろやかな味がして美味しい。



 こんなふうに混ざり合えたら嬉しいのにな。