【完】天使くん!これは友情ですか?恋ですか!?



 それだけ伝えて、私は雪乃の手を引っ張る。




「行こう」


「……うん」




 生徒会長がこれからどうするかなんて聞きたくない。



 雪乃の前では暴力野郎だったけど、副会長の前ではそんなことはしないだろう。
 だって、そもそもの始まりは告白出来なかったことなんだから。




「夏海」




 自分が出来なかったことを他人のせいにしていた。
 結局は最低男だけれど、変わるも変わらないも自分次第。
 後はもう知らない。




「夏海!」


「あ……雪乃」




 教室を出て、すでに昇降口まで来ていた。
 歩くのが速かったらしく、雪乃が息切れしている。




「いきなりあんなこと言うから、びっくりするじゃない」


「うん……そうだね」


「どうしたの?」


「よく、わかんないや。私も過去に縛られてた人間だからさ。同情とは違うんだけど、可哀想っていうか……」


「うん、わかるよ」