「死ぬ勇気があるなら大丈夫。1度だけチャンスをあげる。感謝しなさいよ」
私はとっておきの切り札を生徒会長の胸に押し付ける。彼は思わずといった感じでそれを持った。
「死ぬなんて逃げ、許さないから」
「これ、は……っ」
彼の手には副会長の住所が書かれた紙。
モジャに相談したら教えてくれた。もちろん、本人には許可を得ている。
職員室の電話で、かなり適当な言い訳をしていたのを思い出す。
「その住所をどうするかはあなたの自由。好きに使いなさいよ」
生徒会長はそこに書かれた名前をじっと見つめたまま動かない。
でも、心は動き始めたって信じたい。
「今は夏休み。生徒会の会議もしばらくないんでしょ? だったら、告白してきなさいよ。もし、勇気を出して告白出来たなら、卑怯者って言ったこと謝るわ」



