【完】天使くん!これは友情ですか?恋ですか!?



 雪乃の全てを救えるわけじゃない。



 でも、自分に出来る精一杯のことはしたいと思ったから。私は生徒会長と向き合って話をしようと思った。




「わかってるはずよ。あなたはこのままじゃ駄目になる」




 逃げたらいずれ、自分の心を蝕んでいく。
 生きにくい世界を自分で作っているだけにすぎない。



 私は気づいたから。



 逃げていたら、ずっと同じ場所に立ち止まったままだって知っているから。
 過去に縛られることで、今が駄目になるのを経験したから。




「お前に迷惑をかけるつもりはない。もちろん、雪乃にもな」


「自殺なんてさせないし、死なせない。それこそ卑怯者よ」




 ああ、これも図星なんだ。



 副会長に告白出来ず、その影を追いかけて雪乃と付き合って、間違った愛し方をして、今では心の拠り所としていた雪乃に無視されて、気づけば生徒会長の周りには何もなくなっていたんだから。



 死にたくなるだろうなって、ちょっと思っていた。