雪乃の全てを救えるわけじゃない。
でも、自分に出来る精一杯のことはしたいと思ったから。私は生徒会長と向き合って話をしようと思った。
「わかってるはずよ。あなたはこのままじゃ駄目になる」
逃げたらいずれ、自分の心を蝕んでいく。
生きにくい世界を自分で作っているだけにすぎない。
私は気づいたから。
逃げていたら、ずっと同じ場所に立ち止まったままだって知っているから。
過去に縛られることで、今が駄目になるのを経験したから。
「お前に迷惑をかけるつもりはない。もちろん、雪乃にもな」
「自殺なんてさせないし、死なせない。それこそ卑怯者よ」
ああ、これも図星なんだ。
副会長に告白出来ず、その影を追いかけて雪乃と付き合って、間違った愛し方をして、今では心の拠り所としていた雪乃に無視されて、気づけば生徒会長の周りには何もなくなっていたんだから。
死にたくなるだろうなって、ちょっと思っていた。



