「ごめんな。俺、すげーガキだったもんな。本当のことを言わないまま別れることが、お前のためだって思ってたけど。お前を助けるつもりが、過去に閉じ込めちまった。何もかも、自分のためだったんだ。だってさ、振られるってわかってんだもんな」
告白出来るわけないだろって、笑う疾風がカッコよく見えた。
「告白されてたら、どうしたかな。私……」
「さあな。ぎこちなくなってたかもしれねぇし、普通に友達やれてたかもしれねぇし、冗談だって笑われてたかもな」
「笑わないって」
「どうだか」
動き出したのは心だったみたいで、私の目から流れる涙は止まらない。
頬を濡らして、服を湿らせ、恥ずかしい姿を晒しているというのに気分だけはよかった。



