「不良だから、真面目だから、男だから、女だから……そういうの、やめたいんだよ」
生徒会の1件で、モジャの中で何かが変わったらしい。
それで私が出てくるってのは不思議で仕方ない。
「先生はどうしたいんですか? 私に何を求めてるんですか?」
「お前はどうしたい?」
「だから、私は生徒会なんて――」
「少しでいい。考えてくれないか?」
モジャはさっきまで使っていた教科書を片付け、それを手に持つと私の肩を叩いた。
「周防を生徒会に薦める理由は……」
「今ある昔ながらの伝統を変えたい。そういうこと?」
「まあ、な」



