「夏海」


「言うって」




 深呼吸1つ。
 私は雪乃に向き直る。




「私ね、春真くんともう1度……ちゃんと話をしたいって思ってる。それに、疾風とも」




 この短期間に色んなことがあった。
 中途半端に止まったまま、動こうとしなかった。



 だから、みんなを傷つけた。これ以上、傷つけ合わないためにも。



 1歩前に踏み出すために、


「雪乃、力を貸して」


 友達の力を借りたいって思った。