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 席を外すと言う秋に、駄目だと言ってラーメンを注文させる雪乃。



 席を外して逃げるつもりだろうと言われて頭を掻いている。逃げる気満々だ。



 黙っていていいから、ここで食べててと言う雪乃の言葉に睨む秋だけれど、目を赤くする雪乃には逆らえないみたいだ。



 にしても、2人はどういう経緯で一緒になったんだろう。



 秋は学校を辞めて、今はランニングでもしていそうなジャージ姿。似合っているのは、黒髪に変えたせいかもしれない。




「夏海。この本……」




 落ち着いたらしい雪乃が、まだ赤い目を擦りながら本を指さす。




「この間、電車で大きい図書館まで行ってきた。こういうの、この辺じゃ置いてないらしくて。まあ、児童図書館ばっかりだしね」