「雪乃を守りたい」


「守る? まるでぼくが悪いみたいな言い方だね」


「そう。あなたは悪い人。人を殴るなんて最低」




 ズキっと胸が痛む。



 私は最低な人間。人を殴って謝りもしないで、彼の言葉を聞かずに逃げてばかりで。
 罵られて当然のことをしていた……。



 こんな生徒会長だけど、そのお陰で気づけた気がする。




「へえ。ずいぶんと強気なんだ」




 雪乃から離れて近づいてくる生徒会長。
 そんな生徒会長を止めようとした雪乃が振り払われる。



 まるでスローモーションのように感じられるほど、怖くて動けない。でも、口だけは止まらなかった。