雪乃だってわかっているはず。わかっているけど、それでも彼が好きなんだ。



 そんな雪乃を利用するなんて、この男。最低だ。




「駄目だよ、雪乃」


「なに?」




 反応したのは生徒会長の方だった。



 怖い。
 バッチリと目を合わせて睨んでくる生徒会長は、私が知っている人じゃない。



 狂気に満ちていて、何をするかわからない。



 でも、私はずっと雪乃の話を聞けなかった。



 本当は、きっと生徒会長のことを話したかったのに。私は、そんな雪乃に気づいてやれなかった。



 自分のことばかりで、雪乃のことを守れなかった。



 本当に馬鹿。私の方が、最低だ。