「駄目……冬弥(とうや)さん、やめて!!」




 雪乃の声に、彼がニヤリと笑う。




「わたしがいけなかったの。直すから、全部……直して、ちゃんとした彼女になるからっ!!」




 そう雪乃が言うのを待って、私から生徒会長が離れる。そして雪乃を抱きしめた。




「痛かっただろう、ごめん」


「いいの……わたしが悪かったから」


「そうだ。今度、一緒に出かけよう。ぼくに任せてくれないか?」


「……うん」




 違う、と思った。
 これは恋愛なんかじゃない。



 雪乃を恐怖の元に支配しているだけ。気に入らなければ殴り、罵り、雪乃を泣かせる。



 そして、酷いことをしておきながら後はもの凄く優しくなる。だから雪乃は離れていかない。