【完】天使くん!これは友情ですか?恋ですか!?



 ぞろぞろと教室に入ってくるクラスメイトたちの目線が痛い。
 雪乃はほっとしたように私の後ろから出てきた。




「夏海のこと、聞かせてくれる?」




 雪乃には告白されたその日に電話をした。
 だから告白のことは知っている。でも、まだ断っていなかったことに驚きを隠せない様子。




「雪乃の話を聞きたい気分なんだけど」


「わたしなんか、どうでもいいし」


「言わなきゃ駄目?」




 もちろんだと言わんばかりの冷たい目線が怖い。




「ちゃんと、言う」


「よろしい」




 その日、新しい噂が学校中に広まる。



 ヤンキーの不破秋と周防夏海が付き合っている、と。



 本当に噂というものは信用出来ないものだ。