「ごめんなさい。私が騙すようなことをしていたから、本当に……」
怒っているのかもしれない。そう思って声をかけると、春真くんは首を横に振る。
「怒ってなんかいません。むしろ嬉しいです」
そう言うわりには沈んだ声になっていくから、私はどうしていいかわからない。
春真くんを待つことにした。
「僕は自分のことが、この性格が嫌いなんです。なんでも信じてしまう。そのくせ、疑い始めると何を言われても信用しない。面倒で厄介です。素直で純粋……でも、その性格が悪い方に出てしまうと、人を傷つけてしまう」
出会いはそうだった。
カツアゲと同じだと疑われて、何を言っても信用してくれなくて。お金を返した時にやっと、私を見てくれた気がする。



