「悩むことなんてない。夏海にも遅めの思春期がきたってことだ」
「え?」
「あれ、気づいてなかったのか?」
思春期!?
「自分で考えて行動しているはずなのに、知らないうちにイライラして悩んで、よくわからないストレスを感じている。夏海の場合は友達と恋人。つまり男女の関係に違和感を――」
「涼兄、それ以上言わないで! なんか恥ずかしいっ」
たまらなくなって布団を被ると、今度はノックもしないで蛍兄が入ってきた。
ガサガサとビニール袋の音がして、お腹がすいていたことに気づく。
「赤飯買ってきたぞ」
「どうして赤飯なの!?」
私は思わず枕を投げつけていた。
「痛っ!」
この2人は、一体どこまで私を理解しているんだろう。正直言って怖い。
絶対に敵に回したくない……。