【完】天使くん!これは友情ですか?恋ですか!?




 見事なまでの頭突きを大好きな涼兄にやってしまって、そのかたさに私が痛い。



 平然と好きな人がいるって言うからびっくりするじゃない。




「結婚、するの?」


「したいと思えるくらい好きな人だ。まだ告白もしていないんだ。蛍には内緒だぞ」


「……うん」




 蛍兄の口の軽さは家族内では有名。
 話したらきっと、涼兄の好きな人にまで届いてしまうかもしれない。




「で。夏海は?」




 涼兄のすごい所は、自分の話をして話しやすい雰囲気を作る。



 悩みっていうのは、そう簡単に話せるものじゃない。蛍兄みたいに言えと言われて言えるものじゃない。



 きっと蛍兄を買い物に行かせたのも、悩みを言わせるためなんだろうな。こんな大人な涼兄が本当に好き。