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「夏海は風邪なんだろ。とにかく寝かせてやれ」
「涼兄、でもさ。夏海、多分だけど風邪だけじゃねぇよ?」
「悩みがあるって言っていたな?」
いつの間にか寝ていたみたい。その間に涼兄が帰ってきていて、蛍兄と口論している。
蛍兄は本当に口が悪い。まあ、私もその影響を少し受けている。はっきり言って迷惑な影響。
「そ。最近、夏海変だったし」
「確かに変だったな」
「だろ? やっぱり変だった」
「お願い。人が寝てる横で変だ変だって、落ち込ませないでくれる?」
「お、大丈夫か!? 夏海」
病人がここにいるんだから、ケンカなら別の部屋でやって欲しい。わざわざ殺風景な女らしくない部屋に、兄弟勢揃いしなくてもいいでしょう。
「思ったより顔色はいいな」
涼兄はまだスーツ姿。ということは今、夕飯時なのかな。仕事を終えて帰ってきたところ?



