「あの、なにか?」 今度ははっきり聞こえた。第2校舎の外にある非常階段だ。多分、2階あたり。 私は急いで第2校舎の非常階段を音を立てないように駆け上がる。 踊り場部分でそっと上を覗く。 3階に差しかかる階段の途中、人陰が見えて私は座り込む。 ――いた!! どう見てもいい人ではなさそうな男子生徒が2人。そして……新入生らしき男子。 「財布忘れちまってさ、金貸してくんねぇ?」 「お金、ですか?」 「そう。帰れなくてオレたち困ってんだよ」