でも、さすがに艶さんを前にしては何も言えないようで。
「僕、もう練習するのが嫌なんです」
遥希らしからぬ言葉を吐いた。
「東京ドームでライブなんて、僕には無理です」
そんなヘタレ遥希に、
「遥希がそう言っても、あとは俺の鶴の一声で決まるんだよね」
けいちゃんがにやにや笑っている。
そして、彼は艶さんにはっきりと言った。
「この仕事、受けます」
「は?」
「遥希はFの東京ドーム公演のゲストとして出演します」
「ふっ……ふざけんな!!」
遥希は顔を歪めて叫んでいた。
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