「でも……今はお前がいると、安心するのかもしれない」



「うん……」



「お前がいると、奇跡さえ起きそうだ」



「うん」





あたしも遥希に腕を回す。

そして、唇を重ねる。

甘くて優しい、とろけそうないつものキスを重ね……

あたしたちは、ホテルを出た。





あたしは、今も奇跡を信じている。

どうか……

どうか遥希が、これ以上悩むことがありませんように。