遥希は何回もあたしを抱いた。
まどろんでは起き、そして抱き合って。
その甘ったるい快感に、ただ身を任せた。
「遥希、休まなくてもいいの?」
窓の外がぼんやり明るくなりかけた時、とうとう遥希に聞いた。
遥希はあたしの髪に指を絡ませ、唇を頰に付ける。
それだけで、何回も重ねた身体がまた熱を持つ。
「……時間が経つのが怖い」
遥希は静かに言った。
遥希は落ち着いているのに、その声は悲鳴のようにあたしの胸に染み込む。
「こうやって美咲といると、現実を見なくて済む」
「うん……」
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