やっぱり好きだ、大好きだ。
こうやって、遥希に触れると安心する。
あたしは、遥希だけのために札幌まで来たのではない。
きっと、自分自身のためにも来たんだ。
「悪い。変なこと言って」
疲れているのに、遥希はあたしを気遣ってくれる。
「お前だって暇じゃないのに、俺が振り回して」
「ううん」
その、大好きな腕の中で遥希に告げる。
「あたしも、遥希に会いたかった」
我ながらびっくりした。
遥希のために、札幌まで来てしまうなんて。
だけど、後悔はしていない。
もう、心も身体も遥希がいなきゃ、駄目なんだから。
あたしの、愛しい愛しい遥希。
最終便に乗って来た人がいなくなり、空港はやたら静かだ。
そんな中、あたしたちは唇を重ね、必死に求め合っていた。
心の中に残る、不安を掻き消すように。



