それから、仕事に身が入らなかった。

泉はあんなに幸せそうなのに、あたしは悪いことばかり想像してしまう。

泉を裏切ったあたしに、罰が当たったのかもしれない。







定時で仕事を上がり、急いで家に帰る。

ピンヒールで小走りに走りながら、いけないと思った。

慌てて歩みを緩めると、目の前に夫と身を寄せ合った幸せそうな女性が見えた。

その女性のお腹ははち切れんばかりに大きい。

その姿を見て、涙が出そうになった。

そしてあたしはドラッグストアに入り……

妊娠検査薬を手に取る。




きっと、妊娠している。

だけど、はっきりさせないと。

あたしは全身で震えていた。






ふと、携帯を見た。

遥希からメッセージが届いている。





ーすぐに帰るから





そのメッセージを見て、涙が溢れていた。