「そうだ。
俺、来クールドラマはないけど、映画があるんだ」
思い出したように遥希が言う。
「え?どんな映画?」
どきりとした。
まさか、恋愛物じゃないよね?
全く気がないとはいえ、遥希のキスシーンはおろか、セクシーシーンなど見たくもない!
だけど、
「やべぇ。脱がないといけねぇかも」
その言葉に、「やめて!」なんて言えなくて。
「濃厚なラブシーンでも何でもやったら?」
可愛くない言葉を吐いた。
そんなこと、微塵も思っていないのに。
遥希はあたしを見て、楽しそうに笑う。
「じゃ、やろうかな〜。
NGになるほど強烈なチューしようかな〜」
なんて言うから、
「じゃあ!あたしは藤井さんに頼んで、碧に抱いてもらう!!」
ありもしない強がりを吐いていた。



