遥希はゆっくりとあたしに歩み寄る。
その見慣れた綺麗な顔に、どきんとする。
そして、優しく伸ばされた腕の中に飛び込んだ時、身体が焦げてなくなるかと思った。
それほどまでに、遥希が好き。
本当は、子供が出来てしまってもいい。
遥希と家族になりたい。
でも、遥希と仲間に、また迷惑をかけてはいけないと思ってしまうのだ。
「……分かった」
遥希は低く呟く。
「今は待ってやる。
だけど近々、絶対にもらってやる」
あたしは遥希を見て笑う。
遥希は少し頰を染め、あたしを見た。
こんな照れている遥希の顔が大好き。
ファンにはあげない、あたしだけの宝物。



