「僕はギターも歌も苦手で、必死に練習しました。 まだ、不完全ですが、聞いていただければと思います」 いつの間にか、祈る気持ちになっていた。 必死で練習していた遥希。 どうか……どうか、うまくいきますようにと。 顔を上げても、遥希と視線がぶつかることはない。 きっと、見えていないんだ。 ぶっ潰してやるなんて言葉、少しずつ気にしなくなっていた。