「美咲ちゃん、遥希が好きなんだ」




急に声が聞こえ、飛び上がった。




あたしの前には瀬川さんが立っていて。

あたしは慌てて雑誌を閉じ、



「来られていたんですね!すみません」



立ち上がる。

我ながらうっかりしていた。

もう、瀬川さんたちとの打ち合わせの時間だ。

誠にはあたしの彼氏が遥希だということはバレている。

でも、どうやら瀬川さんは知らないらしい。

慌てて会議室に移動しようとしたあたしに、瀬川さんはなおも話しかけた。