あたしの生活も変わらずだった。

泉とのダブルデートはいまだ実現しなかった。

特に問題もなく、ものごとは順調に進んでいるように見えた。

でも、心の奥底では不安を持ち続けていた。





遥希のドラマは見なかった。

本当は見たかったのだが、キスシーンがあると嫌だから。

知らぬが仏、まさしくその通りだった。




料理番組とドラマのおかげで、遥希は「家庭的男子」などと特集されることもあった。

こうして思惑通り、遥希のイメージは変わりつつあったのだ。