バイクが置かれている場所まで向かう



「零(ゼロ)も優しいじゃないですか?」


無言で亜紀を見て次の言葉を待つ



「わざわざ殺さず、忠告までしてあげるなんて、普通できません。それにあの2人の恐怖心が和らいだように見えましたし」




ここでようやくあたしは口を開く



『烏(クロウ)。あたしは別に優しくした覚えはない。あたしにとってアイツ等2人はただの玩具だ。烏(クロウ)が思うほど恐怖心が和らいでいたのなら、誘導させ確実に面白く殺せるだろう』




あたしは本当のバケモノにも悪魔にもなれそうだ


人を玩具として楽しんで殺すなんて、ただの異常者でしかない



別にあたしは何と呼ばれようが構わないが、創り上げたのは人間(ヒト)だと理解してほしい




「怖い人ですね」


『思ってもないこと言うなよ』


「思ってますよ。誰も貴女に敵う者はいないでしょう」


『それは面白くない。烏(クロウ)、お前にする詳しい話をする。明日、××駅の前に午前10時に待ち合わせだ』


「分かりました」



バイクが置かれているそこであたしと亜紀は別れた


家に帰ると変装をとき、自分についた血の臭いを消す




そして、眠りにつく