あの“ホスト親玉事件”から
漸く、一週間経って
私の気持ちにも落ち着きが
戻ってきた。


なかなか貫禄のある集団
だったな…


あれから遅番勤務も
何日かあったけど
二度と見かけることは
なかった。


あれは、タダモノでは
なかったな。
暴対法の対象になるような
ご職業柄の雰囲気があった。

近づいちゃいかんタイプ
だったと思う。

あの時よくぞ逃げ切れた!!

自分グッジョブ!!


防災室のおじさんに挨拶して
従業員出入口から退出し
最寄の駅へと続く通路を
ヒトの流れに乗って歩き出す。


今日も、垢抜けない
キャッチ君達が、
女の子のケツを追い回している。
相変わらず、ターゲットが
よくわからないが
そんな事は、どうでもいい。


それより重要なことは、
この空腹の満たし方だ。


お腹すいたなぁ…
晩御飯、何食べるかなぁ…
作るの面倒くさいなぁ…


等と考えながら歩いていた
所為だろうか。

「あのぉ。」

そんな声と一緒に肩を掴まれ
ビクッとして声の方を
振り返る。