くそっ!!!


…逃げられた。


思わず、彼女に向かい
伸ばしかけた手を
俺は堪えた。


「あらまぁ。完全に警戒して
逃げられましたね。」


このマーケティングに同行していた
秘書が苦笑をかみ殺しの給う。


「ギラギラしすぎなんですよ。
…貴方の好み、ど真ん中でしたね。」


「くっ…」


…部下の前で、失態を
冒してしまった…


「分かりますよ。そのくらい。
“カノジョ”は、今回のマーケ対象に
成りえないのだから。そうだとしたら
必然的に分かりますよ。」


俺が仕事をそっちのけで


「貴方、一目ぼれしましたね?
龍起(リュウキ)副社長。」


「………」


オンナに走ってしまった。