…しっかし、まぁ…


電話の一本、メールすら
送って来ないのね。

これだから、金持ちってのは
鼻持ちならないのよね。

あれから、2週間経つけれども
脅しただけあって、ストーキングは
元より、連絡の一つすらない。

…まぁ。別にいいけど。

…あら?いいのかしら…?

…あの場で、あんな啖呵
切れたのも、後輩に無理矢理
連れて行かれたつまんない
映画に酷似していたからで。

私だったら、こういってやるって
強く決心したことを
ぶちまけただけなんだけど。

まぁ、今更、どうでもいいわ。

「…あの店長?本社から
電話があったんですが…」

百貨店の朝礼から、
戻ってきた私に、
学生バイトさんが
声をかけてくれる。

「…あら?何かしら?」

心当たりが無いわけでは無い
けれども…

「…本社に来いと…。」

「…うげっ…」

…気乗りしないわ。
凡そ、数点思い当たるのよね。

「…店長は死んだって
言っといてくれる?」

能面ヅラで、そういえば

「…大人なんだから
さっさと行ってきて下さい。」

キレ者な学生バイトに
追い出され、シブシブ
社屋に向かいお店を後にした。