しかも、私も客商売の端くれ。

ある程度、ヒトの顔を覚えるのは
習慣的になっていたりするものだから
ここで常駐で活動している
キャッチ君達の風貌は覚えている。


何を売ってんだかしらないけど
何だかムサクルシイし、
若干、貧乏くさいんだよねぇ。


誰彼かまわず声かけてるみたいで
そんなんで大丈夫か?と、
要らぬ心配をしてしまうんだけど。
多分、アルバイトさんなんでしょう。


時給に惑わされて
アコギなことしちゃダメよ。


お姉さん、心配しちゃーう。




…まぁ、その“お姉さん”は、
モハヤ、そんなキャッチ野郎に
声などかけられる年齢では
なくなっているのですけれども…


…いや、声をかけられたい
訳ではないのよ…断じて。


いかん…疲れすぎて
思考回路がおかしくなっている。


早く帰らなくっちゃ!!



「…ん?」


あれ…?そういえば


今日のキャッチ君達…
いつもの男の子達じゃないわね。

…ってか、キャッチセールスってより
スカウトマンみたいな雰囲気だわ。


何だか独特の雰囲気がある。



自分はカモの対象外である事を
良いことに周りを見渡す。