「ふあ~…眠い…」


平日のお客様が少ない事を
いい事に、遠慮なく欠伸をする。

あの“キャッチ騒動”の
翌日には、この店舗へ異動した。


あのオトコのハイスペックぶりに
“たらしこめ”“仲良くなれ”等
オトナのグロさを全面に打ち出した
意見も無きにしもあらず…だった
けれども。


女の子を…かろうじて女の子も
含めて、不測のトラブルから
キッチリガードするのが、
会社の勤めというものです!!
…と、女性上司の半ギレの一声で
サクッと異動が決まったのだ。


「お疲れ様です。
店長、遠くから通勤だから
睡眠時間取れてないんじゃ
ないですか?」


一緒に勤務しているバイトの
女の子が、私の容赦ない欠伸に
苦笑する。


「大丈夫よ。一時間くらいだし。
許容範囲です。明日は休みだし♪」


ワゴンの洋服を畳みながら
再び出かけた欠伸をかみ殺す。


「店長、私、店頭にいますから
よかったら日報書いてきて下さい。
早く帰りましょ♪」


じゃあ、お任せして…と
声を発せようとしたとき

「こちらへ転勤されて
いらっしゃいましたか。」

「探しましたよ。」

突如かけられた声に驚き
顔をあげた。