「おい。テメーら。」


ピクピク引きつる
コメカミを取り繕いもせず
ナンパ師共を見遣る。

俺の形相の所為なのか
無言でびびりながら
此方に注目する
若造共の顔面を
マジマジと拝めば


…なるほど。これが
イマドキのモテ顔って奴か。
ならば…


「今から、テメーらに
ドンペリかマンション
貢いでくれそうなオンナ
見つけて連れてこい。

そいつらにアンケートに
答えてもらう。

行けっ!!」

「はいっ!!!」

足を縺れさせながら
慌ただしく駆け出す
背中を見送る。

時給分は働いてもらうぞ。
若造共。それだけの金は
払うんだからな。こっちは。


間違えてもここにいる
資金力の欠片も無さげな
オンナ共なんざ、今度は
連れてくんなよ。


「蒼梧!そこのオンナ共
解散させて、マーケ用に
もっとラグジュアリーな
サロンを早急に用意して
連絡してこい。」


「了解っす。…?…って、
副社長、どこに行くんですか?」


「俺も行くんだよ。
マーケしにな。」


あんなグダグダな手筈
見せられて、任せられるかよ。
デカイ物件なんだからよ。