「しかし、うちの敏腕秘書が
業務に支障を感じるなんて
これは、俺たちが一肌
脱がなきゃいけないかな?」


いや、いい。

むしろ、そおっと
しておいてくれ!!

お前が動くと、
毎度、ろくな事にならない。


「やめてください。蒼梧。
貴方達が動くと、法令に抵触する
問題を起こす可能性が山の如しです。
私のことを思うなら、おとなしく
していてください。」


ほら、見ろ。バカ蒼梧(笑)
同じ事言われてやがる。


「ただ、まあ…この馬鹿げた
初恋騒動を終わらせて頂けると
言うのなら、多少のお戯れは
目を瞑りますよ。蒼梧。」


瞑らなくていい!!!
そっとしておいてくれ!!!!


「蒼梧!!!」


慌てて執務室の扉に
駆け寄り、勢いよく扉を開ける。


「…あれ?」


誰もいない秘書室に
血の気がひく。


「ヤバイ…まさか…あいつら
2人でいったのか?!」


驚愕する。

蒼梧は、そもそも
やる事が無茶苦茶だが、
うちの秘書が手を下す時は
更に桁外れな手段を選ぶ。


「ヤバイ…彼女がやばい。」


走りだしながら、本日の
急ぎや譲れない予定がなかったか
脳内で確認する。