「ところで、弊社には
どのようなご用件で
いらっしゃるのでしょうか?」


釣書の紹介の間も、一言も
物申さず、一心不乱に
こちらを見つめていた
目の前のセレブ氏に問えば。


「…君の会社に用はない。

ただ、君自身に用がある。」


そういって立ち上がる。


デカイ…いったい、
どれだけ身長あるんだろ。
そんな、どうでもいい事を
考えてしまう。

いや、私に用事って何よ?!


「君、ステディは?」


…は?ステディ?


「わからない?
パートナーはいるのかって
聞いている。」


…は?パートナー?

何?!このひと!?
嫁か愛人的なヒトを買いに
ここへ来たというの?!


「…パ、パートナー探しなら
外商の隣に、相談所がございます。」


やり手のババ…いや、
出会いのエキスパートが
貴方のようなセレブ氏を
モミ手で迎えてくれますよ!!

金持ちの考えることは
わからない。
支障のない言葉をつむぐ。


「俺は、君にはそういう
相手がいるのか、聞いている。」


「います。」


間伐いれず答えてやる。