キャッチか?まさかの
キャッチセールスか?
気づかなかった。
壷をうりつけるつもりなのか?!
それとも、印鑑?!
買わないわよ!
私、案外、はっきり断る
タイプよ!!
警戒しながら、目の前の
オトコの全身を一通り
目に映し、誰であるかを
認識し、青ざめた。
……げっ。
ホストの親玉一味だ!!
「すいません。
急ぎますので!!」
関わってはいけない!!
瞬時に踵を返して駆け出す。
私、短距離走って得意なの。
…随分長いこと走ってないけど
逃げ足だけは、速いのよ!!
「ああ…!!
なんで逃げんだよ!?」
背後で焦った声と供に
取り巻きのお兄さん達の
失笑が聞こえるが
そんな事は知ったことではない。
兎に角、逃げ切り
今後は通勤経路を変えるだけだ。
ふふっ♪都会ってやつは
地下鉄が便利に繋がっているのだ。
怖いお兄さん達には
簡単には負けないのだよ。