「おい!南田!お前、まだ帰るなよ!部長が探してたぞ。」

 お店の方から呼ばれた声にサッとコートでまた華は隠された。

「おいおい。そんなところに座り込んで大丈夫か?顔、真っ赤だぞ。南田ってそんなに酒弱かったか?」

 声の主が南田に近づいて連れて行くようだ。

「いえ…。少し風に当たりたかっただけで。」

「なんだ声もしどろもどろだぞ。相当飲まされたな!」

 ハハハッと笑われて連れていかれた。


 残された華は何が起こったのか整理できないまま動けずにいた。

「僕は好きでもない人とはしない。」

 南田の声がリフレインした。