休憩室でコーヒーを飲んでいると前のペアだった内川が来た。

 華を心配してわざわざ来てくれたようだった。

「大丈夫?南田くんずいぶん厳しいみたいだけど。」

 やっぱり優しい人。

「大丈夫です。言われてることは正しいのは分かるので。
 もうちょっと言い方あるんじゃないですか?とは思いますけど。」

 華はヘヘッと力なく笑った。

「正しいって…。奥村さんは一般事務なんだ。知らなくても当然のことばかりだよ。」

 専門的な話だなぁとは思っていた。でも…。

「いいんです。このままじゃ悔しいですから。」

 確かに言い方は厳しい。正直きつい。

 でも負けたくなかった。

「そっか。やっぱり南田くんが本当のペアの相手なんだね。」

「え?」

 そんなわけない。こんなにもつらく当たられてるんだから。

 そもそも南田もお荷物を抱えたと思っているだろう。

 それを本当のペアだなんて…。とても相性がいいなんて思えない。

「僕とペアの時はそんな生き生きした顔してなかったから。頑張ってくれてたけどね。」

 「じゃ無理しないで」と内川は休憩室を出て行った。

 生き生き?私が?負けないぞって意地になってるだけなんだけどなぁ。

 南田さんをやっつけるなんて到底無理っぽいし。