振り返るとそこには、眩しいほどの碧空くんの笑顔。


「おはよっ!」


まさか声をかけられるなんて思ってもみなかったので、一瞬何事かと思って固まってしまった。


「おっ……おはようっ」


ドキドキしながら自分も挨拶を返す。


そしたら彼はニコッと笑ってくれて。


「移動教室?」


「うん」


「そっか、頑張れ」


「あ、ありがとうっ」


「またな」


……本当にそれだけの会話だったけれど、朝から心拍数が急上昇してしまった。


どうしよう。学校で挨拶なんてされたのはじめてだよ。


私が通りかかったのに気が付いてくれたんだ。


いつのまにか、普通の友達に戻ったみたいで嬉しくて、思わず顔がほころぶ。