笑顔でそう言ってくれる彼女を見て、本当に話してよかったなんて思う。


いざ話してみたら、自分の抱えていた悩みがそこまで大したことじゃなかったかのようにも思えた。


不思議。こんなに心が軽くなるものなんだ……。


「ありがとう。加奈子ちゃんがいてくれてよかった」


泣きながらそう口にすると、加奈子ちゃんが「ふふふ」と笑いながら急にスマホを取り出して、ホーム画面を確認してみせる。


「よし、そうとなったら今すぐ行こう!」


「えっ?」


「そろそろ碧空くんの部活が終わる時間じゃない?」


善は急げ、ということらしい。


一瞬戸惑ったけれど、私も今ならちゃんと言えるような気がした。


「わ、わかった。行ってくる!」


加奈子ちゃんに見送られるままクレープ屋を飛び出して、学校まで走りだす。


なんだかとてもすがすがしい気持ちだった。