次の日から、碧空くんはパッタリと教室に来なくなった。


もちろん朝迎えにだって来ない。廊下ですれ違っても話しかけられることもない。


あれだけよく目が合っていたのに、それもなくなって……まるで急に他人になってしまったかのようだった。


数日前まで毎日のように話していたのが嘘みたい。


「碧空くん、最近来ないね?」


加奈子ちゃんも不思議に思ったのか声をかけてきて。


「そ、そうだね」


「なにかあった……?」


だけど私はやっぱり話すことができなかった。


「ううん、なにも」


碧空くんに告白されたことも、それを断ったことも、誰にも言えない。


矢吹くんに「もっと周りを頼れよ」なんて言われたばかりなのに、やっぱり私は頼ることができなかった。


ただ自分の中に辛い気持ちを押し込めて、必死で消化しようともがくばかりで。


おかしいな。どうして……。


中学時代碧空くんに別れを告げた時よりも、今回はもっと辛いような気がするよ。