もう二度と、蛍は俺に振り向いてくれることはないんだろうか。
もう俺は、彼女のそばにいることはできないんだろうか。
ずっとずっと、追いかけてきた。想い続けてきた。
だけどもうこれで、おしまいなのか……?
ガックリと肩を落としたまま部活へと向かう。
遅刻だし、顧問にはきっと怒られるだろう。
どんな顔していけばいい?
孝太に冗談言われても、先輩にイジられても、今日の俺はたぶんうまく笑えない。
辛くて辛くて、今にも胸が押しつぶされそうだった。
昇降口を出てまっすぐグラウンドへと向かう。
サッカー部の奴らはもうみんなとっくに集まって練習を始めてる。
とにかく今は部活のことを考えようって、必死で気持ちを切り替えていた、その時だった。
目の前に、見覚えのある後ろ姿を見つけて……ドクンと心臓が飛び跳ねる。
……蛍?