【完】もう一度、キミのとなりで。


一瞬体がピシッと固まる。


やだ、いつの間に……矢吹くんにまで噂は広まっていたんだ。


「まぁ、俺も正直ビビったけど。

どおりであいつと仲いいと思ってたよ」


「なっ!」


ウソ。そんなこと思われてたの?


矢吹くんは少し不服そうな顔で呟くと、私の前の席に腰を下ろし、こっちを見つめる。


そして、なぜかポケットから自分のスマホを取り出すと、そこにイヤホンを取り付けた。


「でもな、いいこと教えてやろうか」


「えっ?」


いいことって……?


「聞きたくないことっつーのはな、聞かなきゃいいんだよ」


「……っ!」