【完】もう一度、キミのとなりで。


こんなに噂になっちゃったし、やっぱり今さら彼とヨリを戻そうなんて無理なのかな。


もし戻ったとしても、私は周りの目に耐えられるんだろうか。


また昔みたいに女子たちを敵に回してしまうのかな……。


そう考えるとやっぱり怖くなる。


昔の嫌な記憶がよみがえってきて、苦しくなる。


やっぱり自分はもう、多くは望まないほうが……。恋愛なんてしないほうが……。


そう思ってうつむいた瞬間、ポンと誰かに頭を叩かれた。


「おい、バ柏木」


その声にハッとして顔を上げると、目の前には心配そうに顔を歪める矢吹くんの姿が……。


「大丈夫か?元気ないけど」


そう聞かれて、思いきり顔に出てしまっていたんだなと思い焦った。


必死で笑顔を作って答える。


「や、矢吹くん!

大丈夫だよっ。別になにも……」


「お前も大変だな。元彼が有名人ってだけで色々言われんのか」


「……えっ」