「外雨すごいけど傘持ってる?」
「あ、うん。持ってるよ」
「はは、さすが蛍だな」
笑いながら頭をポンと撫でてくれる碧空くんは、いつもどおりだ。
彼も噂されたりしてないのかな?なんて少し気になるけれど……。
そのまま二人傘をさして外へ出る。
外はザーザーと雨が降り続いていて、いたるところに水たまりができていた。
校門を出たところで碧空くんがこちらを振り返る。
「……そういえば、今日大丈夫だった?」
急に心配そうな顔で聞かれて、一瞬何のことかと思った。
「えっ……何が?」
「ほら、なんか俺らが付き合ってたこと、すげー噂になってるみたいじゃん」
瞬時に心臓がドクンと飛び跳ねる。
あぁ、やっぱり碧空くんも噂されてるのを知ってたんだ。



