【完】もう一度、キミのとなりで。


放課後は雨だった。


午前中から曇ってはいたけれど、午後から雨が降り出してしまい、いつの間にかどしゃ降りに。


グラウンドはビシャビシャに濡れて、そのため外の部活はみんな中止になったみたいだった。


サッカー部も練習がなくなったみたいで、碧空くんが一緒に帰ろうと誘ってくれて、下駄箱に着いたら彼がそこで待っていてくれた。


「蛍!」


私の姿を見つけるなり笑顔で手を振ってくれる彼に、胸がキュンとなる。


だけど同時に大勢の視線にもさらされて、少しだけ気まずい気持ちになった。


「ねぇあれ、碧空くんと例の元カノじゃない?」


「えっ、なに、ヨリ戻したの?」


「ウソでしょ、やだ~!」


ヒソヒソと話す声が聞こえてくる。注目されるのはやっぱり苦手。


ササッと靴を履きかえ、彼の元へと駆け寄る。


「お、お待たせ、碧空くん……」


身を隠すように下を向きながら、小声で声をかけた。